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あなたの膝のレベルはどの程度?
■ひざが痛くなる病気 太ももの骨とすねの骨の間でクッションの役割を果たしているのが膝の「関節軟骨」。 変形性膝関節症は、老化や肥満、ケガなど、様々な原因から、 ひざ関節にかかる負担に耐えられず、 ひざの関節軟骨がすり減ったり変形したりすることが原因で起こります。 中高年になって「ひざが痛くなる病気」の代表ともいえます。 「変形性膝関節症」は殆どの場足、関節の上の骨である大腿骨(太ももの骨)と、 下の骨である脛骨(すねの骨)の間に多く起こります。 ■変形性膝関節症の症状 膝が痛い人の特徴的な症状は、 ・立ち上がって歩き始めるときにひざがこわばる ・歩くとひざが痛む/走るとひざが痛む ・長時間歩くとひざが痛む ・階段を上り下りするときひざが痛む(特に下りがつらい) ・ひざに水がたまって腫れる ・ひざのO脚が強くなってきた ・ひざが曲がりにくくなり正座ができない ・ひざが完全に伸ばせない ・ひざを動かしたり歩くとギシギシ音がする ・立ち上がるまで5分くらい時間がかかるようになった などなど。 痛み方の特徴として、「動かしたときに痛む」ってことがあげられます。 ※慢性関節リウマチなどの場合は安静にしていても痛む=安静時痛 ■なぜ中高年の女性に多い 通常、変形性膝関節症は、50歳代以上の肥満気味の女性に多くみられます。 なぜ女性に多いかについてははっきりわかってはいませんが、 女性ホルモンの影響、男性より筋力が弱いこと、中年になると肥満傾向があることなどがあげられています。 肥満についてはより重い負担がひざにかかるので変形性膝関節症の要因の一つと言われています。 ■ひざ関節の構造 ひざ関節は身体のなかで一番大きな関節で、「太もも」(大腿骨:だいたいこつ)と「すね」(脛骨:けいこつ)の継ぎ目にあたり、さらに「お皿」と言われている膝蓋骨(しつがいこつ)の3つの骨から成り立っています。 骨同士が接する部分は、骨と骨が直接こすれあわないように関節軟骨というクッションでうすく覆われています。 また、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)のすき間には、 半月板という三日月型の軟骨がはさまっていて、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。 ひざ関節全体は滑膜(かつまく)という薄い膜で裏打ちされた関節包(かんせつほう)という袋に包まれています。滑膜では関節液(かんせつえき)がつくられ、ひざの滑らかな動きや関節軟骨の栄養に大切な役割を果たしています 骨と骨は靱帯という強い繊維の束でしっかりとつなぎとめられています。この靱帯が切れるとひざは不安定になります。また大腿四頭筋などの筋肉によりひざは支えられ、曲げ伸ばしなどひざを動かすことができるようになっています。 ■荷重がかかりやすい構造 関節は通常、球状の骨と「おちょこ」のような球面を受けるような形状の骨との組み合わせになっていることが多く、面を面で受けるので接触面が広くなり関節への負担は少なくてすみます。 ところが、ひざ関節の場合は、球状の大腿骨(太ももの骨)を平面の脛骨(すねの骨)が受ける形になっているため点のような小さな接触面で荷重を受けることになるので関節への負担は大きくなります。 また、いったん歩きはじめると垂直方向へ体重がかかるだけでなく、大腿骨は脛骨の上を転がり・すべり・回旋します。関節軟骨はこのような横方向や斜めにかかる力にはあまり強くありません。 歩行時のひざへの負担は体重の3倍にもなり、走るときや階段の上り下りではそれ以上の負担がかかると言われています。 ■関節軟骨は修復されにくい 関節軟骨は骨とくらべると弾力性がありタイヤのゴム程度の柔らかさです。また表面が非常になめらかでツルツルしていてほとんど摩擦がありません。そのおかげでひざはスムーズに動き、骨が直接すり減ることがないのです。 したがって絶えず新陳代謝が行われこのツルツルや弾力を保つ必要がありますが、軟骨には血管がないので滑膜から分泌される関節液を栄養源としています。しかし血行がないため軟骨をつくる細胞が供給されないので、軟骨がいったん傷ついたりすり減ったりしたとき修復されにくい、という性質を持っています。 ■一次性は原因がはっきりわからない 変形性膝関節症は大きく一次性と二次性に分けられます。 二次性はひざの骨折や靱帯損傷などの外傷が元で起こるもので、一次性は外傷もなくはっきりした原因もないのにひざの痛みが起こるものをいいます。 変形性膝関節症の多くは一次性です。 (1)一次性変形性膝関節症の原因 変形性膝関節症は荷重が膝関節にかかることから関節軟骨が破壊されて起こりますが、なぜ関節軟骨が破壊されるのか、はっきりした原因は解明されていません。 ですが進行悪化しやすい傾向など、いくつかの関連すると思われる要因はあげられています。 ・老化? 中高年に多いことから一般に老化が関連していると言われています。加齢とともに関節軟骨の新陳代謝が衰え、摩擦に対して痛みやすくなっていくというものです。 しかし、関節軟骨の損傷は老化ではなく金属疲労のようなもので、また中高年に多いのは筋力低下のためで「老化は原因ではない」とする説もあります。いずれにせよ健康な状態を長く維持するためには、適切な使い方で大切に使うことが肝要であると思われます。 ・肥満 体重が増えればひざの負担も増します。肥満は変形性膝関節症に関連があると言われています。 歩行時には体重の3倍もの負荷がひざにかかっていると言われますから、体重が1?増える→ひざの負担は3?増ということになります。走ったり階段の上り下りなどの場合はそれ以上の負荷がかかります。 ・O脚やX脚 O脚やX脚の場合、関節に平均して荷重がかからず、O脚はひざの内側、X脚は外側に荷重がかたよってかかるため、その部分がすり減りやすくなります。変形性関節症になると進行する過程でO脚やX脚変形していくことが多いですが、元々O脚やX脚である場合には変形性膝関節症になりやすい傾向があります。 日本人の場合はO脚傾向の人が多くみられます。 ・筋力低下 年を取ると脚腰の筋力が徐々に衰えていきますが、とくに太ももの前側の大腿四頭筋は歩かなくなるとすぐ弱くなりやすく、立ったり座ったりや階段の上り下りに支障が出たりします。太ももの筋肉はひざの動きをコントロールし、また体重を受け止めてひざ関節の負担を補う働きをしています。 太ももの筋肉が弱くなるとひざ関節がうける負担が大きくなり関節軟骨が傷みやすくなると考えられています。 ・ひざの酷使−スポーツや肉体労働など 肉体労働や激しいスポーツなどでひざを酷使すると、ひざに大きな負担がかかり変形性膝関節症を招きやすくなったり悪化したりするといわれています。 しかし、ウォーキングやスポーツを適度に行う程度であればむしろひざにとっては良いことで、多少歩き過ぎたくらいでは変形性膝関節症になりやすくなるようなことはありません。 ・体質 手指の第一関節が節くれだって腫れや傷みを伴う「ヘバーデン結節」の人は、変形性膝関節症になりやすかったりなると悪化しやすいことがわかっています。ヘバーデン結節は体質的な軟骨の代謝異常で、40〜50代の女性に多くみられます。 (2)二次性変形性膝関節症の原因 若いときにスポーツや事故などで靱帯損傷などのケガをした場合、それが変形性膝関節症の原因となることがあります。 靱帯損傷や骨折などの外傷や関節のかみあわせの障害などが原因で関節軟骨が痛み変形性膝関節症が起こすものを二次性変形性膝関節症といいます。 <前十字靱帯損傷> スポーツや事故などで大腿骨と脛骨をつなぐ靱帯に損傷を受けることがあるが、特に前十字靱帯損傷はしっかり治療しないとひざくずれ(ひざが亜脱臼のようになり急に不安定になる)を起しやすく関節に負担がかかる <半月板損傷> スポーツをする人に多い関節内のクッションである半月板の損傷。傷んだ部分を切除したり縫合したりするが半月板は完全に回復することはなく、関節軟骨に負担がかかりやすくなる。 <関節軟骨損傷/関節ねずみ> 繰り返し外力がかかると関節軟骨や骨の一部がはがれることがあり関節軟骨損傷(または骨軟骨骨折)という。 はがれたかけらが関節内を動きまわることを関節ねずみといい、ひざの腫れや激痛を伴う。取り出す手術などを行うが、のちに関節軟骨がはがれた部分から傷が広がり変形性膝関節症となることもある。 <膝蓋骨脱臼> ちょっとした運動がきっかけで突然ひざのおさらが外れてしまう膝蓋骨脱臼をきちんと治療しないでいるとおさらが大腿骨と正常にかみ合っていないため軟骨の接合面が偏って負担が大きくなり膝蓋大腿関節症になることがある。 <ひざおよびひざまわりの骨折> 骨折が関節の中にまで入ってしまうと関節の表面に段差ができ軟骨を痛めやすい。また骨折後に骨が変形した状態で治癒したために関節面がO脚やX脚のように横にズレたり前後にズレたりして偏ると軟骨の片側がすり減りやすくなる。 ■なぜひざに水がたまるのか? 実際にはたまるのは「関節液」で、ひざ関節の関節包の中にたまります。専門的には「関節水症」といいます。 関節液は通常は1ccにも満たない量に保たれていますが、関節軟骨が傷ついたり破壊されたりすると滑膜に炎症がおこり関節液が多量に分泌されるため関節内に関節液がたまります。 少したまっているくらいなら関節液を抜かなくても炎症が治まれば自然と吸収されますが、傷みや腫れがひどい場合は注射器で関節液を抜く治療を行うこともあります。しかし関節液を抜いても症状が改善されていなければまたたまってしまいます。「ひざの水を抜くとクセになる」などとよくいわれますが、これはクセではなく炎症が持続しているためです。 ■なぜひざが動かしにくくなるのか? ・ひざが曲がりにくくなり正座ができない ・ひざが完全に伸ばせない など、なぜひざが動かしにくくなってしまうのでしょうか? ひざを真っ直ぐに伸ばしたり深く曲げる動きは、靱帯や関節包などが著しく緊張するので関節軟骨への負担も大きく、関節が傷んでいると激しく痛みます。 最初は痛みを避けようとして自然とひざの曲げ伸ばしをしないようになります。ところが曲げ伸ばしをしないでいると靱帯や関節包、筋肉などの柔軟性がなくなり、今度は伸ばそうとしても伸ばせない、曲げようとしても 曲げられないようになっていきます。これを「関節拘縮」といいます。さらに痛むので動かさない→拘縮が進む・・・という悪循環の中で、ひざは動きにくくなってしまうのです。ある程度はひざを動かして関節の可動域を狭めないようにすることが必要です。 ------------------------------------------------------------------------------ あなたの膝のレベルはどの程度? 1)前期・・・関節軟骨の劣化がはじまる 関節にかかる負担に耐えられなくなると、ツルツルだった関節軟骨の表面に傷がついたり劣化したりする「軟骨変性」が起こる。だんだん関節軟骨の弾力がなくなり衝撃吸収能力が落ちていく。 X線には関節軟骨は写らないが、内視鏡でみると関節軟骨の毛羽立ちなどがみられる。 ひざが痛むことがあるが原因がわからず放置されることが多い。 2)初期・・・軟骨がすり減りはじめる 前期〜初期にかけて、関節軟骨の表面の傷や劣化が進み、表面に裂け目が出て剥がれはじめ徐々に関節軟骨がすり減りはじめる。すり減った軟骨のカスのようなものを除去しようと滑膜の炎症が起こり、関節液が多く分泌され腫れや痛みが出てくる。 さらに進むと関節軟骨がすり減り半月板も弾力を失うため、大腿骨と脛骨の間にあるべきすき間(=関節裂隙・かんせつれつげき)が狭くなっていく。そうすると骨にかかる負担が増えてくるため、骨が自分を守ろうとして硬くなったり(骨硬化)、とげ(骨棘・こっきょく)やでっぱり(骨堤・こつてい)のようなものを作る。 ひざに水がたまって強く痛んだり、走ったり階段の上り下りなどで痛むことが多くなる。 3)進行期・・・O脚やひざのくの字変形が目立つようになる 関節軟骨のすり減りが進行し関節裂隙はますます狭くなり、骨棘、骨堤、骨硬化も進む。関節軟骨の部分的な欠損や、半月板も変性や損傷がみられる。 ひざの使い方の癖などで関節軟骨の一部がすり減り、O脚やひざが伸びきらずくの字になるなどの関節変形が目立つようになる。負荷はひざの内側にかかりやすく、また日本人はO脚気味の人が多いため内側負荷が大きくなりやすい。 スポーツを続けるのは難しくなり日常生活にも支障が出てくる。 4)末期・・・関節軟骨が消失、骨が直接こすれ合う 関節軟骨が完全にすり減って関節裂隙がなくなり骨硬化が進む。骨同士が直接こすれ合うギリギリ、ゴリゴリといった音が聞こえたりする。O脚などの変形が進み、ひざを完全に曲げたり伸ばしたりすることが出来なくなる。痛みが引かなくなり、日常生活では杖や手すりが必要になってくる。
------------------------------------------------------------------------------ 変形性膝関節症の場合、一度すり減ってしまった関節軟骨は元に戻すことが難しく、風邪が治るように完全に元の状態に戻せるというものではありません。 しかし、痛みがやわらぎ自由に歩けるようになったり普通に生活できるようになるなど、機能を回復してより良い状態にすることは可能です。それを「治った」と考え治療の目標とします。 ■治療の方法 治療方法は大きく保存療法と手術療法に分けられます。 症状の程度などにより治療方法が決められますが、基礎療法はいずれの場合でも必ず行うべきもので、また症状が改善した後もまた悪くならないために継続して行っていく治療法です。 <保存療法> ○基礎療法 日常生活上の注意 肥満の改善 運動療法 ○薬物療法 鎮痛薬の内服、外用、座薬、関節内注入など ○物理療法 温熱療法、湿布など ○装具療法 安定や矯正のための装具使用 足底板、 サポーター、杖など <手術療法> 関節内廓清術 高位脛骨骨切術 人工関節置換術 など ■基礎療法はひざと上手に付き合う法 すり減った関節軟骨は元には戻せませんが、ひざを適切に手入れすることで不都合を感じずに生活できるよう改善することはできます。そのための自分で行う治療が基礎療法であり治療の基本となります。 ひざと一生つきあっていく、自分で治す、という意識が大切です。 ○日常生活上の注意・・・負担をかけず、衰えさせず ひざに過度の負担をかけず、またひざを支える筋力などを衰えさせないことが原則です。 ・痛みがあるときはひざに負担をかけないようにする。 正座を控える。 避けられないときは正座用補助具などを使う 階段の上り下り。エレベーターや手すりを使う 立ち上がるときなど、何かにつかまる 洋式トイレを使う。簡易に洋式にできる便器もある。 重い荷物はカートなどを使う など ・保温に注意する ・適度な活動を生活習慣にする。安静にしすぎると筋力や可動域が衰え、結果として状態を悪くする ○肥満の改善・・・正しい食生活と無理のない運動 ひざには体重の数倍の荷重がかかります。ひざにかかる負荷の軽減のためには肥満は禁物です。 ・無理なダイエットは栄養状態が悪くなり関節軟骨や筋肉を衰えさせる ・バランスのよい食事内容と規則正しい食習慣の確立が大切 ・ひざが悪いと運動不足になりがちなので、ひざに負担のかからない運動を無理なく行う ○運動療法・・・使いながら手入れしよう 適度な運動をすることで、ひざを支える筋力を鍛え関節可動域を維持し、痛まず長く使えるひざを目指します。 また血行がよくなり関節軟骨などの栄養状態も良くなるので痛みをやわらげる効果も期待できます。 やり過ぎは痛みを悪化させるので、運動後に痛みが続くような場合は運動量を減らすなど注意して行います。 運動は医師の指導を受けてはじめた方がよいでしょう。 ・太ももの筋力アップ 筋肉を使うトレーニング。ひざが痛まないよう関節に負担をかけないように太ももの筋肉を中心に鍛える 太もも 大腿四頭筋 お尻 大殿筋、中殿筋 内股 股関節内転筋 ももの裏側 ハムストリングス ふくらはぎ 腓腹筋 すね 腰 腸腰筋 ・ストレッチ ひざを動かすトレーニング。ひざの拘縮をできるだけとることと予防することが目的。また関節包や靱帯、筋肉などに刺激を与え新陳代謝をよくさせる ・ウォーキングなど ひざに重みをかけるトレーニング。弱ってしまった軟骨や骨などのひざの組織を元の強さに戻すために行う。 歩くことは動物の基本なので徐々に重みをかけることで自然と強さを取り戻すことができる。 心肺や循環機能など身体の機能を維持・増進し健康を保つ効果もある。 平坦で歩きやすい道を選ぶ 歩行に適した靴で 20分程度からはじめ、慣れたら時間や速度をアップ 無理をせず、定期的に行う ・その他の運動 水泳、水中歩行、自転車こぎなど ※膝が痛い―変形性膝関節症(参考文献) ご予約は今すぐ! 保険治療のご相談も今すぐ! 通話料無料のフリーダイヤルで、今すぐ! |HOME|へ
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