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▼マッサージとは?
直接的には血管やリンパなどの循環系に、間接的には神経を介した反射機転などによって筋肉や内臓系、あるいは神経系に影響を及ぼします。 その結果としてとくに肉体的、精神的な疲労の回復に大変効果があり、内臓の機能を改善させ、新陳代謝を良くし、皮膚を美しく保つといった、健康状態を改善させ、健康を増進させる様々な効果があります。
マッサージの手技 前記のように様々な種類があるマッサージですが、その手技(マッサージの技法)には共通するものが非常に多くあります。 それらを技法として分類すると、次の様に要約できます。 ▼マッサージの基本手技 1 軽擦法(けいさつほう) 手掌や指腹でさする、なでる手技です。 2 揉捏法(じゅうねつほう) 手でつかみ、おさえそして捏ね(こね)、揉む(もむ)手技です。 3 強擦法(きょうさつほう) 押し込むようにさする、強めになでる手技です。 軽擦と揉捏を組み合わせたような手技です。 4 圧迫法(あっぱくほう) 押す、おさえる手技です。 5 叩打法(こうだほう) リズミカルに叩く手技です。 6 振せん(しんせん) 手掌で揺らすようにさする、手でつかんで揺さぶる手技です。 とくに軽擦法、揉捏法、強擦法の三法でほとんどのマッサージ効果をカバーすることが出来ます。 ▼マッサージの作用 マッサージが人間の身体の組織に対してどのような作用を及ぼし効果を発揮するのか、主に次の五つが挙げられます。 1 興奮作用 病的に機能の減退している神経や筋に対しては、その興奮性を高め、機能を回復させる作用があります。 2 鎮静作用 病的に機能が更新している神経や筋肉に対しては、その興奮性を弱め、機能を沈静化する作用があります。 3 反射作用 病巣から遠い部分に施術し、中枢神経を介する反射機転により、病的状態にある内臓などの機能の調整を図る作用があります。 4 誘導作用 外傷や炎症などにより、患部に発赤、腫脹、疼痛、(赤くはれ上がって痛い)などの症状が著しい時や、脳充血や皮下出血などで直接患部への施術が不可能な場合、その部位よりも心臓に近い部位に施術し、患部のうっ血や病的浸出物を誘導、吸収させる作用があります。 5 矯正作用 関節周囲などに癒着などの障害があるとき、その部位の浸出物、病的産物を細かく砕き吸収を促進します。 また関節の運動障害を起こしている周囲の筋・腱・靭帯などの癒着を剥離し、短縮した軟部組織を引き伸ばすことによって関節機能を回復させる作用があります。 ▼アルント・シュルツの法則 これらの作用を十分に発揮させるためには、マッサージの刺激の度合い=刺激量が大切です。マッサージの刺激量は、加える力の強弱と時間の長短で決まりますが、それを効果的に加減するのは実際にはなかなか難しいことです。 そこで刺激量のひとつの目安となる、刺激の強さと神経・筋の興奮性との関係に関する法則が『アルント・シュルツの法則』です。それは次のようなものです ■ 弱い刺激は低下している神経機能を鼓舞し機能を回復させる。 ■中等度の刺激は生理的機能を更新する。 ■ 強い刺激は生理的機能を抑制する。 ■ もっとも強い刺激は機能を停止させる。
マッサージを行なうことによって、身体の中ではどのような反応が起こり、効果を発揮するのでしょうか。 組織、器官に及ぼす影響 皮膚・循環器系(心臓、血管・リンパ管)・血液、リンパ液・消化器・呼吸器 神経系に及ぼす作用 体性神経系(知覚神経、運動神経)・自律神経 運動器系に対する作用 筋肉・関節、靭帯、腱 物質代謝と分泌機能
▼マッサージの適応症 マッサージを行なうことによって効果が期待できる症状には、次のものがあげられます。 1 神経系疾患 神経痛、麻痺、痙攣、脳卒中後遺症、ポリオ、ノイローゼ、不眠症、ヒステリーなど 2 運動器疾患 慢性関節リウマチ、筋肉痛、筋萎縮、筋力減退、軽症の筋炎、腱炎、関節の拘縮、癒着の剥離、関節の変形、骨折、脱臼、捻挫の後遺症など 3 消化器疾患 胃下垂、慢性胃炎、胃腸のアトニー、慢性腸炎、常習性便秘など 4 呼吸器疾患 気管支喘息、慢性気管支炎 5 循環器疾患 心臓神経症、局所性の充血、うっ血、貧血、水腫など 6 泌尿生殖器疾患 膀胱麻痺、膀胱痙攣、膀胱炎、乳腺障害など 7 新陳代謝疾患 痛風、脚気など 8 その他 疲労回復、病後の体力回復など ただし疾患の症状、進行度によっては不適応になる場合がありますので十分注意してください。
▼マッサージの禁忌 マッサージの禁忌とは、マッサージを受けてはいけない場合のことです。 一般的には食後、強い空腹時、飲酒後、熱のあるときなどはマッサージを避けます。 また妊娠中も注意を要します。
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